大阪大学  国際共創大学院学位プログラム推進機構 ・ 大学院工学研究科  共同主催シンポジウム
社会と知のエコシステム
〜 生体 × 歴史 × 人工物 〜
 高度化した科学技術や成熟した社会や生活、グローバリゼーションの進展による世界市場の誕生や様々な格差の顕在化などのもと、解決すべき課題は従来にも増して大規模で複雑なものになってきています。それらの克服に向けては様々なステークホルダーが共創するエコシステムが重要であるとされています。とは言え、エコシステムのあり様は理解しがたく、その描き方も混とんとしたままです。エコシステムとは、端的には生態系であり、ある意味で様々なシステムが大規模かつ複雑に連鎖している全貌であると言えます。
 本シンポジウムでは、生体・歴史・人工物のそれぞれの方面で進められている当該の対象内での複雑な事象を包括的にとらえようとする学術の視点や論点を共有し、それらを糸口として実践におけるエコシステムのあるべきすがたを論じてみたいと思います。各種の取り組みの統合に向けて、本シンポジウムでの知の交叉とその実践への投影が何がしかの足掛かりになれば、と考えています。
 ご関心の方々におかれましては、是非、ご参加をいただきたく、案内申し上げます。
2020年12月3日 (木)

14:00〜17:00  オンライン開催

定員: 450名   ◆   参加無料
第一部:話題提供
第二部:パネルディスカッション
共同主催: 協賛: 企画:
大阪大学 大学院工学研究科   テクノアリーナ インキュベーション部門
統合学術基礎論イニシアティブ
参加申込み:
12月2日 (水) 23:59 までにこちらの Google フォームにてお申し込みください。
開催方法:
Zoomウェビナーを使用します。具体の方法は、11月30日 (月) 以降、順次 (参加申込みから24時間以内を目途に) 、参加者にメールにて通知します。
ホームページ:
本シンポジウムの追加情報等は、必要に応じて、順次、このホームページに記載していきます。
問合せ先:
企画担当 統合学術基礎論イニシアティブ 事務局
〔 大阪大学 大学院工学研究科 機械工学専攻 藤田研究室 〕
Mail : symp1203@syd.mech.eng.osaka-u.ac.jp (@は半角に変えて下さい)
Tel : 06-6879-7324 ( 野間口・岩永 )


プログラム詳細 ( 登壇者等の所属はいずれも大阪大学 / 敬称略 / 登壇者は都合により変更となる場合があります )
14:00〜14:05   開会の辞     田中 敏宏   ( 統括理事・副学長 )
14:10〜15:10   第一部:話題提供
生体の多様性とその変動から伺う社会     森井 英一   ( 医学系研究科 研究科長 )
生体を構成する多彩な細胞も元は1個の未熟な細胞である。この未熟な細胞は徐々にその細胞に特徴的な遺伝子群を発現し、成熟した状態に至る。これらの遺伝子群の発現には細胞周囲の環境が影響し、場に相応しい遺伝子群を発現することで多彩に成熟した細胞が生じ、その結果、多様性をもった組織が作られる。しかし、一見完成されたように見える組織も、その構成状況は時々刻々変化している。安定化したように見えていても、1個の細胞レベルではその周囲の環境は次々と変化しており、それに伴い細胞で発現する遺伝子群の組み合わせ、ひいては組織全体の構成要素に変化が生じる。社会も刻々と動くものであるという意味で、生体における現象とその裏に潜む機構の解明は、社会における諸事情の捉え方の機軸となる可能性を秘めている。
歴史における関係性と世界システム論の変容     秋田   茂   ( 文学研究科 教授 )
歴史学において、地球的規模での諸地域やそれぞれでの人々の営みの相互連関を通じて新たな世界史を構築しようとするグローバルヒストリーの試みが注目を集めている。考察の対象を広域の地域に広げ、そこに関わる地域や人々、産業や通商などの経済活動のみならず、自然環境などとの関係を取り上げ、歴史に潜む大きな変化のパターンや関係性を見いだそうとする世界システム論はその典型である。しかし、世界システム論自体も、20世紀末から展開する「東アジアの奇跡」(世界銀行)を前にして、従来の西洋(欧米)中心的な解釈の見直しを迫られている。アジア太平洋圏に世界システムの重心が移るなかで、今後の時代を展望していく長期の歴史的な展望が求められている。
人工物の複雑化からみるイノベーションの深層     藤田 喜久雄   ( 工学研究科 教授 )
製品やサービスなどの人工物は、構成要素の増加に呼応して、より高度な機能を発現するようになってきた。その範囲は、機械部品から電子部品へ、さらにはサイバー空間にまで広がっていて、全体を貫くしくみも重要になってきている。かつては、発明や発見そのものが新たな人工物をもたらし、技術のつくり込みは漸進型イノベーションを通じて品質の向上や広範な普及を促したが、昨今は、不連続型イノベーションに向けて各種の技術を組み合わせる目的の設定や様式の刷新が求められるようになってきている。それに際しては、様々な人工物を創り出すための組み合わせ方の標準形としてのアーキテクチャが一つの鍵となっていて、俯瞰的な展望とそのもとでの戦略性が必須となり、従来からの論理を超えた判断も求められるようになっている。
15:30〜16:55   第二部:パネルディスカッション
社会課題の解決を導くイノベーションの実現に向けてエコシステムが重要とされ、様々な見地からの取り組みが進められつつある。かたや、例えば、目下のCOVID-19に起因する事態では、様々な事象が錯綜していて、その広がりや行く末を見通すことができていないなど、課題の全貌を俯瞰することは容易ではない。生体・歴史・人工物についてのシステム論を足掛かりに、我々は何を読み解くことができるのか?
パネリスト:   話題提供の3名     司会:   山崎 吾郎   ( COデザインセンター 准教授 )
16:55〜17:00   閉会の辞     馬場口   登   ( 工学研究科 研究科長 )